最後に山門を振り返りますと、立派な仁王像が二体、門の警護を固めておりました。



いやはや、じっくり拝見しますと、ものすごい形相で睨んでおられますねぇ。
四国八十八所では今でも巡礼参りが盛んですが、西国三十三所のこちらではどうでしょうか。
少なくともここでは巡礼姿を見かけたことはありませんが、
お札をいただき朱印をもらう姿を見かけることはありますので、
平服で一つ一つ回ってらっしゃる方は多いものと思われます。
そんな巡礼箇所ということだからでしょうか、山門には草鞋が掛かっておりました。

ところで、アップするのを忘れていたことがありました。
ここ総持寺の境内で後の茨木高校につながる旧制中学校が創立されたとのことでした。
茨木高校と言えば、大阪では公立名門進学校として有名で、現在でも難関校です。

あのイバコウは明治の頃にこの場所から始まったんですねぇ。
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西国三十三観音霊場は広く近畿一円に拡がっており、
特に江戸時代などでは全部回るのは大変です。
そこで、摂津国に摂津西国三十三観音霊場を定め、
この総持寺はその二十七番札所となり、回りやすく考えられました。
更に、四国八十八所は弘法大師が修行されたお寺を巡拝する巡礼コースとして有名ですが、
こちらも摂津西国と同じくミニ札所として江戸時代に創設され、総持寺は四十七番札所になっています。
更に更に、それらの札所を一気にここでお参りしてもらおうと設けられた札所団地もここにあります。

中央には背中合わせに菩薩像が二体あり、弘法太子と二人連れでの信仰を体験できるようになっています。
お堂の三方には一寺一基の観音像を彫り込んだ塚があり、ずらりと並んでいます。



観音様は一体一体異なった意匠になっており、精緻に彫られています。

このお堂はお手軽巡礼1日コースのミニ札所ながら、
内部で拝見しますと、なかなか荘厳な気分になるのでありますよ。
で、そこを辞して外に出ますと、このような看板が・・・・
こういう回りかたもあったのねぇ。
何かこれが我が身には一番効き目あるような気がしてきました・汗

そのお堂のお隣にはこんな塚も。
こんなの昔からあったかなぁ・・・・・・

何年かごとに来るたびに、何か新しい発見をしてしまうのであります。
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最近は一般のお寺さんにもペットの供養塚を置くところが増えてきました。
この総持寺も境内の一画にあります。
いつ頃からあるんでしょうかねぇ、、、7~8年前に来た時には既にあったと思います。


お供えのスペースにもぎっしりと飼い主の思いが詰まっていました。
そうせざるを得ないお気持ちは痛いほど分かるのですがねぇ・・・・

我が家でも今まで何匹も看取ってきましたが、子供の頃は庭が広かったので、庭の隅に埋めていました。
現在地に越してからはペット霊園にお願いしています。
火葬の後、合奏塚に入れていただいていまして、個別の骨壺、位牌、卒塔婆などは設けていません。
想いはあれど、いつまでも引きずるのは人より短いペットの寿命を考えるとよろしくない、
そういう割り切りで、懇ろに葬ったらお参りなどはせず、距離を置くようにしています。
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総持寺という名称からは少し狭くは感じますが、境内はよく手入れされていて気持ちのいい空間が拡がっています。
そして伽藍や講堂、その他施設が程よい距離感で配置されています。

伽藍はこのように凝った細工のある丁寧な造りの落ち着いた佇まいです。

裏からも存分に拝見できます。近くで見ると見上げる大きさです。

伽藍の東側には接客所や宿泊所、寺務所などがあり、そこと伽藍はこのような渡り廊下でつながっています。
以前高野山に行った時には、このような造りの渡り廊下をよく見ました。ここもそれに倣っているようです。

西側にある講堂は丘陵の斜面に少し掛かっていまして、感じのよい高床になっています。

ご多分に漏れず、ここにも小さな神社が入っていまして、いい場所にお稲荷さんが祀られていました。

庭には小さな山水庭園が造られていまして、錦鯉が泳いでいます。

山門横に1本だけある楓の木は、そろそろ秋模様に色づいてきていました。

この日は日向を歩きますと、秋まだしという日差しで、少々汗ばむ陽気でしたが、
木陰に入りますとひんやり、とても気持ちのよい時が過ごせました。
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総持寺と名のつく寺は日本全国に結構ありますが、
ここは西国三十三観音霊場の二十二番札所、高野山公認?の真言宗のお寺であります。
寺伝では元慶3年(879年)頃、藤原山蔭が創建し、寛平2年(890年)に伽藍が完成したとなっています。
ご本尊は千手観音菩薩です。
総持寺は安威川の河川段丘の上にあり、正面からは階段を7~8m上って山門から入ります。

一応石段下には下馬案内がありますが、今となっては馬で来る人も無かろうし、
今風に車で来たとしても、石段を登ろうにも上れんと思うのですがね。

横手から石段を登り、正面を向いて山門に向かう前に手水場があります。
いつの頃から設けられてるのか知りませんが、近寄ると自動で水が出るハイテク仕様です。

それでは、先を行くおねえさんについて山門をくぐりましょう。

今から40年前、祖母が亡くなった時には自宅で葬儀を行ったのですが、
ご紹介を受けましてこの総持寺からお坊さんに来ていただいて葬式をやりました。
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