四天王寺は上町台地の南端に位置しますので、南、東、西の三方には急に下ってゆく地の利になります。
西に向かって国道25号線の下り坂を少し歩きますと、下った先の方に通天閣が見えてきます。
左手にチラリと見えるこんもりしたところは茶臼山になります。
大坂冬の陣、夏の陣で徳川・真田が陣取りで攻防を繰り広げた古戦場でもあります。

その茶臼山の北端に一心寺というお寺があります。
一心寺は四天王寺と遜色ない古さを誇る名刹ですが、
途中廃寺再興を経て、現在は浄土宗のお寺として栄えています。

一心寺と言ってピンとこなくても、人骨像のお寺と言えば「ああ・・・」と頷く方も多いでしょう。
山門とも言うべき所には人骨で造った仁王像が睨みを効かせておりまして、訪れる人の度肝を抜きます。


内部は一般的な参詣客の多い境内という感じで、さほど違和感を持ちません。
この日も善男善女が思い思いにお参りをされていました。


実はここには八代目市川團十郎の墓があるのですが、意外と知られていないようです。
大坂夏の陣の戦いで最前線に立ち、討ち死にした本多忠朝の墓所もあるんですよ。
徳川家康の本陣がここに置かれたこともあり、後に一心寺を厚く庇護したということです。

休憩所にある灰皿は、こんな格好をしていました。
やっぱりちょっと変わっているかも知れませんね・笑

この一心寺も浄土宗というものの、宗旨に関係なく参詣や納骨を受け入れる寺であります。
全国から多くの納骨が集まりますので、江戸時代末期に遺骨数万体を集めて
最初の大きな骨仏(阿弥陀仏)を作り、明治時代晩期からは10年ごとに集まった納骨で骨仏を作っています。
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