一里塚|シャシンとカメラのお板
日々撮りためた写真やお気に入りのカメラ、プチ薀蓄などをご紹介しています
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糸巻歪曲修正
お友達のebatomさん主宰の画像掲示板でレンズテストの話題が記事になっていました。
それで思いついたのですが、最近では交換レンズといえばズームレンズが普通になってきています。
ズームレンズでは、一般にワイド側では樽型の、テレ側では糸巻型の歪曲が出まして、
どんな高級レンズでも、廉価版レンズでも、大なり小なりこの現象が出るのは宿命となっています。

最新レンズなら、普段撮影している時には殆ど気にならないくらいに性能は上がっているのですが、
それでも横いっぱいや縦いっぱいの直線が写っているような絵柄ですと、歪曲による曲りが気になることがあります。

この写真は京都でスナップ写真を撮ったものですが、屋根の水平を出すのに気をつけて撮りました。

糸巻き歪曲修正#1

よ~く見てください。
端っこと中心部で縦に並んだ屋根瓦のボリュームが違って見えるでしょう。
軒の線が真ん中で下がっている、と言うか垂れているように見えますね。
4隅をピンで留めた濡れ紙を天日に晒すと縮んで4周の線が内側に曲がってるような様子、
これが糸巻みたいな形に見えるので糸巻型歪曲という難儀な歪みです。

このように目立ってしまうと見苦しいので、画像ソフトで修正を加えます。
修正を加えたのが、この画像です。

糸巻き歪曲修正#2

いかがでしょうか、何となく落ち着いて見られるようになりましたね。
画像をクリックしてブラウザー2画面に両方を表示し、切り替えて比べてみればよく分かります。

このように内側に引っ張られたような歪みを糸巻型歪曲と言いますが、
反対に外側に膨らんだように見える歪みを樽型歪曲と言います。

私は基本的に歪みも味のうちで許容しますので、私の作品の99.9%以上は補正なしです。
しかし、歪みで作品の質が大きく損なわれ、「直線イノチ!」の場合にのみ補正をかけます。

画像がフィルムからデジタルデータになってからは、この作業が非常に楽にできるようになりました。
でも、完璧に歪みを取ったからと言って作品が完璧になるとは限りません。当然元が悪いとどうにもなりません。
ものには程度というものがありますので、できるだけ撮ったままで作品にしたいというのが本音です。

ちなみに、この作例は撮ったままのデータに色温度・彩度・明度・コントラスト等一切加工していません。
画像縮小のためのスムージングのみ行い、2枚目に糸巻き型歪曲補正処理を施しただけです。


FUJIFILM FinePix S5 Pro / TAMRON AF 18-200mm F3.5-6.3 XR Di II LD Aspherical [IF] MACRO (A14)


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テーマ:試写 - ジャンル:写真

コメント
この記事へのコメント
単焦点の高級レンズなら全く気になりませんがズームはありますね。
ソフトで修正は邪道でしょう。そのレンズの性能を誤ったほうへ導く様な気がします。
理想は単焦点で!なんでしょうが便利に流れますもんね(笑)。
2010/12/03(金) 20:41:21 | URL | forester #2ukxmIo6[ 編集]
う~・・自分は、こうして説明してもらって
少し分かる程度なので・・笑
勉強になります。
2010/12/03(金) 21:05:30 | URL | nonakadesu #-[ 編集]
2枚をタブを切り替えて拝見すると、糸巻き型歪曲とその補正処理の効果がはっきり分かりました。 歪曲がないほうがスッキリした感じがしますね。
でも、こうして見比べれば違いが分かりましたが、1枚目だけを見せられれば、これはこれで味があると思います。 大変勉強になりました。
少々ゆるいレンズ設計でもソフトでどうにかできるさ!なんて思って設計しているとは思いませんが、ずーっとレンズ設計をされていた方に言わせれば、とんでもないことなのかもしれませんね。

2010/12/03(金) 21:26:54 | URL | maimai #/.OuxNPQ[ 編集]
foresterさん、私も殆どこんな加工はしませんよ・笑
やるのは年に1回あるかなぁ、くらいです。
家の前で撮った記念写真とか家の中で柱が写ってる写真とか
記念に差し上げる時に加工して、見て違和感ないようにしてます。
軒や柱がひん曲がった写真は、貰った方も『ええ~~』ってなるもん・笑
2010/12/03(金) 21:28:29 | URL | 管理人[MADAM] #.Q7UDCiU[ 編集]
nonakaさん、最近のレンズは設計技術も生産技術も上がり、
1枚だけ見たら気がつかないくらいよく補正されていますので、
普段はこんな加工は必要ありません。
たまたま画面の端の方に平行な直線があると、見えてくるんですよ。
2010/12/03(金) 21:38:35 | URL | 管理人[MADAM] #.Q7UDCiU[ 編集]
maimaiさん、パラパラアニメにして見比べると、ほほぉって分かりますよね。
各々単品で見た時には、別にどうってことなくて、気づきませんけどね。
重箱の隅をつつくような検査員なら、アラ探しで見つけるでしょうけど・笑
昔は壮絶な樽や糸巻きがあるレンズってのもありましたが、最近は気になりません。
今回の補正は、レンズ設計者が追求した理想の姿をソフト的に再現した、
と理解すればいいのじゃないでしょうか。コストと精度の限界せめぎ合いですね。
2010/12/03(金) 21:47:50 | URL | 管理人[MADAM] #.Q7UDCiU[ 編集]
どこまで加工して良いかって、その人の考えで良いと思いますが、
だからデジタル処理はあてにならないとも言えますね。
少なくともレンズ評価には使えないといいたいところですが、
カメラ側で基礎加工できる機種もあるとか。
何が本当なのかわからない、混沌とした世相に合うように
思います。「写嘘」の時代かな・笑
2010/12/04(土) 00:03:19 | URL | kan #mQop/nM.[ 編集]
kanさん、銀塩アナログ時代にも現像で加減したりプリントで加工したり、
歪み取りでイーゼルを傾けたり、紙にわざとRをつけてセットしたり、
手や小道具で覆い焼きや焼き込みをしたり、といろんな『加工』をして作品にしましたね。
現在は暗室で現物にするのでなく、デジタルデータにソフト的に加工を加える、
そんな風に手法が変わってきているけど、原理や手順は同じと思います。
デジタル化では、それらの手法が明室でより簡単にできるようになりました。
最終目的はプリントなりWeb画像なりで完成させることと変わりませんから、
私はどちらの手法でアプローチしてもさほど拘りはありません。
写真はレンズやカメラ、フィルムやプリント用紙を通して見せる過程で
アナログであれデジタルであれ、「事実」の記録を「写真」という表現結果に置き換え、
公示するものですから、どの技法を使っても「写真」は「写嘘」と言えますね。
全アナログ処理しても、エアブラシで要らないものは消せますから・笑
そのどこまでを許容し、何を否定するかは、撮影、画像加工、プリントをする人、
そして結果を見る人それぞれの価値判断次第であると考えています。
かの東松照明は群衆プリントの中に自分の肖像を密かに埋め込んでますな・爆
2010/12/04(土) 10:10:05 | URL | 管理人[MADAM] #.Q7UDCiU[ 編集]
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